橋が壊れたという話は不穏だった。ネパールのマオイストの存在が頭に浮かんだ。パトナーのあるビハール州は、その北でネパールと接していた。彼らのゲリラ活動の拠点はインドにもあるといわれていた。だからといって、ブッダガヤーに戻る気力はどこにもなかった。そこまで行けばベナレスまでのバスに乗ることができるという保証もなかった。パトナーへ行けば、デリー行きのバスがあるかもしれないという目算は脆くも崩れ去り、僕らはバスでの進路を閉ざされつつあった。
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なんとか軌道を修正する必要があった。残った手段はタクシーだけだった。壊された橋は、バスは無理でもタクシーなら通ることができるのではないか。ここからうまくタクシーでベナレスに出ることができれば、アジアハイウェーの一号線に戻ることができる。僕はひとりでホテルを出た。カメラマンとH君は充電の真っ最中だった。体の充電ではない。カメラマンは撮影した写真のバックアップやバッテリーに電気を貯めなければいけなかった。H君も持参したデジカメや動画も撮れる携帯電話の充電に忙しかった。ITバックパッカーの弱点は電気なのだ。