ベヘナーは、ファッション誌の写真の他に『スポーツーイラストレイテッド』誌の水着特集号の写真が有名なモデルだ。二四時間中継を企てたため、そのインタビュー撮りをしているのである。まるでエルサークレンチ気取り。訓練を積んだジャーナリストでも「ファッション専門家」でもないはずなのに、このイギリス美人、堂々とBCBGマックスーアズリアフランス人デザイナー、マックスーアズリアがニューヨークを拠点に展開するブランド。ニューヨークコレクション参加。若いアクティブな女性に受ける華やかなデザインを展開。ちなみに「BCBG」とは「BonChicBonGenrej」の略で、フランスの上流階級の伝統的なエレガンスのこと。して臆することがない。何よりいいのはカメラ映りがいいことだ。ほぼ一時間遅れ(まあそんなものだろう)の七時五〇分に、照明が落ち、深いベース音がスピーカーからボンボン響き始める。天使みたいなシルクのスリップとぴったりしたスウェードのパンツを身に付けたゴージャスな若い美女たちが、列をなしてランウェイを歩いてくる。で、一〇分後にはもう終わり。モデルたちが最後のウォーキングをし、アスリア氏が挨拶に登場すると、観客から拍手。それから部屋中の人が出口に殺到する。私は、友人のエンタテインメント系エディター、リサを連れていた。ファッションショーは初めてという彼女は、この体験を一言で言い切った。「これだけ?」。ファッションショー・サーカスに夢中になるのが五〇分、服を見るのが1〇分。そんなわけで、本日のファッション中継第一の教訓は主役は服じゃない。手を変え品を変えプロモーション一五年ほど前までは、ファッションといえばまず服ありき、だった。ファッションショーのテレビ中継なんてなかったし、そもそもショー自体、雑誌編集者や新聞記者、店のバイヤーが出席するもっとわかりやすいものだった。『ウイメンズーウェアーデイリー』や『ヴォーグ』『ハーパースーバザー』といった老舗のファッション誌ならともかく、エンタテインメント系雑誌や一般の刊行物でそのシーズンのスタイルにお目に掛かることなんてまず考えられなかった。