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印刷機の領域に足を踏み入れた最初の機械

〈ドキュテック〉は、コピー機がコピー機の殼を破って印刷機の領域に足を踏み入れた最初の機械だった。従来のコピー機とは明らかに違う使われ方をされており、現在、大学生協などに数多く納入されているので、ご存知の方も多いのではないか。たとえば百部程度しか作らない研究者のレポートや、大学のサークルの同人誌などといった用途に使われているようだ。いわゆるワープローコピーの同人誌づくりをはるかに速く、便利にしたわけだ。〈ドキュテック〉は、当初コピー機として発売された。紙の原稿があって、それを機械に読みこませて必要枚数を刷るという技法である。まさしくゼロックスだ。ところが、先にも述べたように、コピー機は容易にプリンタとして使える。ここに、コピー機からオンデマンド印刷機への進化と飛躍があった。プリンタであれば、紙の原稿がなくてもデジタルデータだけを送りこめば印刷ができてしまう。「コピー機ドキュテック」に、コンピューターのデータを直接受けとれるプリンタとしての機構をつけ加えたとき、「オンデマンド印刷機ドキュテック」が誕生したのである。ゼロックスはあくまでもコピー機の会社だったから、この高速コピー機〈ドキュテック〉が印刷機代わりに使われるようになるとは思ってもいなかったようだ。最初は、たとえば機械のマニュアルや、少しページ数の多いドキュメントなどの社内文書などをコンピューターに電子的にためておき、必要に応じて印刷するといった、プリンタ的な用途を考えていたらしい。だが、市場に出るや否や、これを見た出版人たちが「もしかしたら出版に使えるのではないか」と考えるようになった。そしてゼロックスの〈ドキュテック〉を出版に利用する試みがはじまった。これが近年のオンデマンド印刷ブームにつながっていくのだ。
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