一枚のシャツはいったいどのくらい長く着られると思いますか?三年、五年、七年……。もちろんこれはさまざまな条件によって違ってきます。まず着用回数やその扱い方によっても異なってくるでしょう。そして言うまでもなく、シャツの生地の良し悪し、縫製の良し悪しによっても大きく変わってきます。一般論として言えば、良質のシャツほど長く着られます。しかもそのほうが気分も良いし、着心地も良い。結局は上質のシャツを長く着るほど得であるということになります。ただしここでの上質のシャツとは、けっして贅沢なシャツのことではありません。手の届く範囲で、より良いシャツを選ぼうということなのです。では、簡単に見分けられる良いシャツとは何か。まずよく言われるのは、ボタンを見よということです。良いシャツには良いボタンが付いている。プラスチック製でなく、貝ボタン。それも白蝶貝のボタンが上質とされます。さらには薄い貝ボタンよりも厚い貝ボタンのほうが上質である、と考えられています。ただ、過ぎたるは及ばざるがごとしで、あまりに厚い貝ボタンは留めにくい場合もあります。さて、もうひとつの注目点は、スプリット・ヨーク。背中の上部にあるヨークを見てください。その中央にタテの縫目のあるものがスプリット・ヨークです。スプリット・ヨークのあるシャツは丁寧な仕立てがなされていると考えて良いでしょう。しかし、もっとも決定的な見分け方は、縫い方。針目の綱かいものほど上質です。現在たいていのシャツは二本針のミシンで一気に縫う。けれどもあえて一本針を往復させる縫い方があります。プソングルーニードルーステッチ・です。もしどこかにその表示があれば文句なしに丁寧な縫い方ということになります。なお針目は、一インチ間に二十目以上の針目があるものが上質とされます。
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