運動不足の人が運動すると息切れしやすいのは、細胞が効率よく酸素を消費できないからです。その原因の一つは、吸い込んだ空気から肺が効率的に酸素を血液中に取り込めないこと。そしてもう一つは、取り込んだ酸素を効率的に細胞で使うことができないことです。その結果、細胞が酸素不足になって息苦しくなるわけです。いくら大量の酸素を血液中に取り込み、それを体のすみずみにまで送り届けるべく心臓がフル回転しても、酸素がヘモグロビンから切り離されて血管の外へ出ていき、細胞に届けられなければ意味がありません。イメージしやすいように、「道路」と「商店街」の関係にたとえてみましょう。商店街を通る道路が拡張工事で新しくなり、一車線から二車線になりました。しかし、たとえクルマの通行量が倍になったとしても、そこで降りる人がいなければ商店街は前と同様でうるおうことはありません。やはり魅力的な観光スポットが必要なのです。これと同じことで、血管も拡張されて血液の流れる量が増えることは良いことですが、細胞への酸素供給という意味では、それだけでは解決になりません。増えた血液から十分な酸素を引き離してあげる「二酸化炭素」が必要なのです。二酸化炭素が十分にあるからこそ、そのBohr効果によって酸素が血管の外の細胞に届けられるというわけです。二酸化炭素は、血管を拡張させて血液の流れる量を増やし、さらにそこから酸素を効率的に引き離して細胞に届けるという重要な役割を果たすのです。
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